幸せの舞台裏

10代の頃、披露宴会場のコンパニオンのアルバイトをしていました。

披露宴というと華やかなイメージがありますが、舞台裏はドタバタでまるで戦場でした。できあがった料理を運ぶのが主な仕事で、それが何よりも大変な仕事でもあります。一度に持てるお皿は頑張っても3枚、ベテランだと4枚は持てるのですが、不器用な私は落としてお皿を割るのを避けるため、片手に1枚ずつ、2枚持って配膳していました。2枚ずつテーブルへ運んでは厨房へ戻り、運んでは戻りの繰り返し。早くしなければ次の料理ができあがってしまいます。

会場を走るわけにもいかず、急ぐと料理が崩れてしまうし、その合間にドリンクの注文が入ることもあり、息つく暇もありません。しかも靴はヒール。働いている最中は夢中なので足の痛みも忘れているのですが、終わる頃には足がパンパンになっていて、血豆はよくできていました。花嫁の手紙のシーンには配膳が済んでいるので、スタッフ全員で披露宴を見守ります。式の最も感動する場面なので、見ず知らずの人の式でも涙が出てきてしまい、スタッフは泣かないで我慢するように、とよく怒られていたものです。

汗だくになって働き、大変な仕事だと思いながらも、誰かの人生の節目となる幸せな場面に立ち会えることが嬉しくて、アルバイトを終えて帰る頃には疲れと幸せが入り混じった不思議な気分でした。今でも友人の結婚式に出席する度に、アルバイト時代を思い出して懐かしくなります。とても良い経験となりました。